2021.2.15 【世阿弥に読む運気の捉え方】かよムーンの「Moon Talk 16」 2月の占いコラム ソウルセラピスト 世阿弥とは室町時代に大活躍された能役者で、また「風姿花伝(ふうしかでん)」や「花鏡(かきょう)」といった現代にも残る能楽の書を書き記したことで有名な人です。 これらの本は今ではお芝居論としてだけでなく、人生論やビジネス論としても大変勉強になると注目されているようです。 たとえば、初心忘るべからず、や、秘すれば花なり、という言葉も世阿弥がのこした言葉だそうです。
ソウルセラピスト かよムーンの東洋星命術 「風姿花伝」の中に以下の言葉があります。 『また、時分にも恐るべし。去年盛りあらば、今年は花なかるべきことを知るべし。時の間にも、男時(おどき)・女時(めどき)とてあるべし。いかにすれども、能にも、よき時あれば、必ず、また、悪き事またあるべし。これ、力なき因果なり』 占いでは「運気」を読みますが、物事が始まったり、活躍する時期もあれば、休息を取ったり、低迷する時期が誰にもあります。
人間は自然の生き物なので、自然界の摂理からの影響を必ず受けています。 自然界の摂理とは、季節を繰り返し巡っていくこと、ともいえます。 例えば、産まれたら成長し大人になり老いて死んでいくこと。植物の場合は、芽を出し伸びて花を咲かせ枯れ落ちていくこと。そしてそれぞれ種を残し、また生命が巡っていくこと。こういった生命のサイクルのその時期の特性を、東洋の占星術では季節に捉えて表現します。 また生命だけでなく、その時々の運勢についても同じような「巡り」があると読んでいます。つまり、運勢は常に栄えているばかりでは、自然の摂理に反してしまって、その命は輝くことができないことを教えてくれています。
世阿弥の言う、 男時を良い運勢の時、女時を悪い運勢の時、ということもできるでしょう。 男時には、きっと楽しさや充実感があり、生き生きと感じるのでしょう。物事がうまく運び、繁栄し成功している時期でしょう。 女時には、苦しさや辛さ、我慢やこころもとなさがあるかもしれません。物事がうまく行かず、頑張っても報われないように感じる時期でしょう。 世阿弥は、この男時と女時を「これ、力なき因果なり」と言っています。 時期というものは誰にでも、何にでもあるものだ、ということだと思います。 実際に世阿弥は若い頃に当時の将軍、足利義満に見出され後援者となってもらい、大役者になったものの、義満が亡くなってしまうと、それまでのように活躍ができなくなってしまい、晩年、佐渡へと島流しに合ってしまいます。
男時にいた世阿弥に、女時がやってくるのです。 しかし世阿弥はそこでどうにもならないことに逆らわずに、できることをやる時間へと変えていったのでした。「能を書くことこの道のいのちなり」、とまで言った世阿弥は佐渡に流されたあとにも、書を書く時間として過ごしたそうです。そして今、佐渡は日本有数の能の島となっています。 今年の運勢や、今月の運勢などを読んで、良い時期と書かれていると嬉しいもの。良い調子で過ごしたいのに、低迷する時期、などと書かれていたらがっかりするかもしれません。 けれども、自然の摂理が力なき因果であるならば、かならずその効能はのちに人生に反映されるはずではないでしょうか。男時も、女時も、気質が相反するだけで、運勢が巡っていく為に「同じだけ価値のある時間」なのだと感じることができると、また違った視点で今を大切に過ごせるのではないでしょうか。
かよムーン
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かよムーン「moon talk」占いコラム
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プロフィール 東洋占星術、西洋占星術、カラーセラピー、人相、声相など相談者の状況に応じてかけ合わせて読むオリジナルの占術を使用。 20歳ぐらいの頃から、趣味で独学で占いを研究し始める。 以後、名前を覚えるように、知り合う人の占いにおける性質を暗記。 ミュージシャン、タレント、俳優、など、多くの芸能・マスコミ関係者も鑑定。 2019年11月1日より、「アントレスクエア」 https://www.entresquare.com にて、占いコンテンツ連載開始。 |